大判例

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福岡高等裁判所 昭和28年(う)2890号 判決

凡そ犯罪の個数は常に必ずしもその法益のみにより決すべきものでないことは言うを俟たないのみならず、公衆衛生上及び公衆道徳上有害な業務に就かせる目的で職業紹介を行うことを禁じた職業安定法第六十三条第二号違反罪の法益は同法条の文意及びその精神に照らすと単に所論の如く社会法益のみではなく人格的法益の並存することが明らかであり、しかも同法条違反罪は同種類の行為の存在若しくは同種類の数個の行為が目的とされたことを犯罪の成立要件とする職業犯等のごときいわゆる集合犯の範疇に属するものでないから、同法条違反罪の構成要件を充足するときは、すなわち一個の犯罪が成立し、更に別に同構成要件を充足するときは別個の犯罪を構成すべきものである。従つて職業安定法違反罪の被害法益は社会法益であるから同違反罪は一罪であるとする論旨は理由がない。

(後略)

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